間もなく、大手各社の上場により、数十億USD(約数千億円)相当の株達がベトナム証券市場に登場することが予想されている。

2015年は、国営会社の資本株式化の重要な時期だと見られており、これに伴い他の大手企業も証券市場に登場することになる。これにより今後、ベトナムの証券市場は明るさを取り戻し、資本調達がしやすくなると見られている。


■株式会社Digiworld(DGW)

8月3日DGWの株式がHOSE(ホーチミン証券)にて、株式単価52,000VND(約297円)で取引開始される。モバイルワールド社に続き、2番目のIT機器卸大手が上場することになる。

DGWが設立されたのは1997年で、現在Acer、Asus、Dell、HP、Lenovo、Toshiba、Microsoftスマホ等々を卸しており、ここ数年で業績を伸ばしてきた。2014年の売上は4.48兆VND(約256億円)で、前年比60%アップ、税引後利益が1,280億VND(約7.31億円)で前年比149%アップ、1株あたりの利益が14,607VND(約83円)になる。なお、株主配当の内、10%が現金で、30%が株式となっている。
 
2015年DGWが提示した業績公約は、売上7.3兆VND(約417.1億円)で税引後利益が1,780億VND(約10.1億円)、前年比50%アップと39%アップになる。もし、マーケット状況が思わしくない場合でも、売上6兆VND(約342.8億円)で税引後利益が1,600億VND(約9.14億円)で、前年比23%アップと25%アップとなっている。なお、配当分は40%を維持するとしている。

■Masan資源社(Masan Resources)

Nui Phaoプロジェクトを5年所有してきたMasanグループが鉱山経営しているMasan Resources社を本年末にUpCom(Unlisted Public Company Market)に上場させる予定で、最終的にはHNX(ハノイ証券)に上場させる予定だ。

このことは、Masan Resources社の7.2億株がハノイの証券市場で取引されることを意味し、北部において大型の取引銘柄になる。

現在、MasanグループはNui Phao鉱山に5.5億USD(約671億円)を投資しており、その内の2.5億USD(約305億円)が本山の所有主が占めている。Nui Phao鉱山は世界最大のタングステン鉱山だと知られており、世界の産出量の33%を占める(中国を除く)。

2015年〜2017年の経営目標によると、2015年の売上は1.92億USD(約234億円)で、その後2016年に2.88億USD(約351億円)、2017年に3.2億USD(約390億円)という業績予想が出ている。なお、利益については、各年で510万USD(約6.22億円)、5,240万USD(約63.9億円)、9,440万USD(約115億円)と予想されている。

VCSC(Viet Capital Securities)社から本株式に対する評価レポートでは、PE株価:20,500〜70,000VND(約117円〜400円)。EBITDA株価:18,000〜105,000VND(約103円〜600円)、PB株価:15,091VND(約86円)となっている。

この他にMasan Resources社は、毎年の収益の50%をUSD換算で配当するとしており、金への投資や銀行への預金よりも魅力的な投資商材になり得る銘柄として注目されている。


■ACV(Airport Corporation of Vietnam)社

2014年のベトナム航空(Vietnam Airlines)社のIPOに続き、大手ACVも今年中に上場する予定だ。
ACVは運輸省傘下の国営会社で現在株式化を推進している。

ベトナム航空が飛行機80機を運営しているのに対し、ACVは民間空港22箇所を独占所有しており、2014年の利益は3兆VND(約171.4億円)以上にもなる。

運輸省の計画によると、2014年6月30日付の当社の時価総額は38兆VND(約2,171.4億円)で、その内の国営資本が20.769兆VND(約1186.8億円)を占めている。当社は2度に分けて株式を販売する計画で、国営資本比率はそれぞれで75%と65%に下がる計画だ。

なお、ACVのIPO時点での株価は11,100VND(約63円)を予定している。

■MobiFone社

MobiFone社は現在、ベトナムでシェア2位の通信キャリアで、政府が国営資本を解くのを発表してからは、国内外の投資家が特に欲しがっている会社のひとつだ。

首相からの指示では、当社は2015年第3クォーターまでに企業価値を発表し、第4クォーターには株式化を推進するよう求められている。

2014年、HSC(ホーチミン証券会社)により、当社の時価総額は34億USD(約4,148億円)と評価されており、IPOする際には40億USD(約4,880億円)の価値になるであろうとされている。

現在、MobiFoneは定款資本が12.6兆VND(約720億円)あり、2015年には15兆VND(約857.1億円)に上がる予定だ。上場すれば、blue chip株のひとつになる予定だ。


■Sabeco(ビール・酒・清涼飲料水株式会社)

Sabecoは、ビールの大手で2008年にIPOしている。しかしながら、産業貿易省が89.6%の資本を所有していたことにより、この7年間上場をすることができなかった。上場するためには、外部資本が20%以上ある必要があったからだ。

ビールマーケットでシェア1位の企業として、Sabeco社は多くの投資家が待ち焦がれている銘柄であり、政府が今後どのように所有分を売却するかが注目されている。

当社の役員会会長のファン・ダン・トゥアット(Phan Dang Tuat)氏によると、産業貿易省の計画では、政府所有株の53%を売却をする方向で進めており、36%まで下げる予定だとしている。

現在、10社以上が既にSabeco社の株式購入の契約を交わしており、Asahi(日本)、Heineken(オランダ)、ThaiBev(タイ)、SABMiller(アメリカ)等の外資大手がある。ThaiBevなどは、当社の時価総額を20億USD(約2,440億円)と評価している。

なお、2014年、Sabecoの売上は29.788兆VND(約1,702億円)、税引前利益は3.672兆VND(約210億円)に達している。


ソース:Zing News(2015年7月28日掲載記事)
--------------------
‪#‎ベトナムニュース‬ ‪#‎ベトナム経済‬ ‪#‎ベトナム投資‬ ‪#‎ベトナム証券‬ ‪#‎ベトナム上場‬ ‪#‎ACV‬ ‪#‎MobiFone‬ ‪#‎Sabeco‬ ‪#‎MasanResources‬ ‪#‎DigiWorld‬