現在、ホーチミン市の人口は8,500万人を超え、650万台以上のバイクが存在している。一方で、インフラは老朽化し公共システムも未発達な為、交通渋滞問題は深刻化している状況だ。

「人口8,700万人に対し、バイクの量が620万台以上、更に自動車・バス・トラックが60万台超え、100万台以上の外から入ってくる車がホーチミン市における交通量だ。

上記が、深刻な交通渋滞を発生させている原因であることは間違いない。

この交通渋滞によって、ホーチミン市は毎年約23兆VND(約1,230億円、10億USD相当)という大きな損害額を出している。」という報告が副教授・博士であるホア氏から発表された。

人口が多いことと交通手段の量の多さが10区分(170平方キロメートル)に集中し、更に中心地には、ビジネス、医療、教育、娯楽などの施設が集中している為、交通渋滞は避けられない状況だ。

ここ数年、ホーチミン市の住民は交通渋滞と洪水問題に悩まされ、効果的な解決方法も見つからないままなのだ。

グェン・ミン・ホア(Nguyen Minh Hoa)副教授・博士によると、ホーチミン市におけるインフラ整備の予算は、現実として必要とされている額の20%しかないという。

毎年、ホーチミン市は交通インフラの整備に50兆VND(約2,673億円、25億USD相当)が必要だが、実際の予算は6兆VND(約321億円、300万USD相当)しかない状況だ。8本のメトロの建設においても300億USD(約3.6兆円)が必要なのだが、これの資金調達自体も困難な状況とのことだ。

ホーチミン市の元技術部長であるボー・キム・クーン(Vo Kim Cuong)氏によると、現在のホーチミン市の都市構造は小さい路地が多くバイクには適しているが、公共の乗り物には全く適していないという。
その為、個人の交通手段はどんどん増えるが、公共の乗り物がその効果を発揮できない状況なのだ。

また、クーン氏によると「交通渋滞を解決するのであれば、まずは個人の乗り物を制限すべきで、公共の乗り物を発展させ、ホーチミン市の都市構造事態を直さないといけない。
つまり、構造的に規準を満たしていないエリアを更地にし建設しなおすべきで、また、道路幅を広げ、渋滞エリアにおける道路数を増やすべきなのだ」とのこと。

しかしながら、これを実施する為には、非常にコストも多くかかる上に短期間では実現できない。おそらく一人あたりの年収が2万USD(約240万円)ぐらいにならないと無理であろうとのこと。

その他には、専門家達からの意見によると、まずは、メトロ、バス、水路等の公共の乗り物を発達させる必要があるとのことだったが、これに対し、クーン氏は、「バスやメトロをどんなに増やしたところでサービスが悪ければ、住民はバイクを捨てないであろう。」と述べた。

ホーチミン市として、まずは、中心地における人口増の原因になるオフィス数を制限しなければならない。
また、大学も郊外の方に移すべきだとのこと。重点的に投資を行い、周辺エリアに仕事・生活の中心地となり得る場所を増やせば住民をそれらに配分することができるようになるという。

グェン・フーン・グェット・ミン(Nguyen Phuong Nguyet Minh)氏とホーチミン市の科学社会人文大学のチームによると、目の前の問題を解決する為、ホーチミン市はよりスマートな信号機を設置すべきだと提案しており、更には、路肩でのバイクの駐車場所を合理的に配備し、渋滞の原因になっているボトルネック地点を取り外し、中心地と他のエリアとの交通システムをレベルアップさせるべきだとのことだ。


ソース:Zing News(2015年10月29日掲載記事)