TPP加盟によるベトナム小売業への影響が議題にのぼった際に、スーパーマーケット協会の会長であるヴ・ヴィン・フー(Vu Vinh Phu)氏からは、ベトナムブランドはもはや風前の灯火ではないかという質問が出たのだ。

産業貿易省多国間政策課のWTO局長のチャン・バー・クォン(Tran Ba Cuong)氏によれば、TPP加盟によってベトナム小売業は、外資大手からの激しい投資の波に巻き込まれるであろうとコメントしている。

タイの小売グループ達の大規模な侵攻は、ベトナム国内で比較的規模が大きくシェアを握っている小売企業をターゲットとしており、これまでの状況を見れば一目瞭然だ。

それに加え、ご近所のタイだけでなく、日本や韓国の有名大手企業も参入し、合弁・株式買取などの形でシェアを握ろうとしている。

クォン氏によると、ベトナムの小売業はポテンシャルが非常に高く、TPP加盟のおかげで外資小売業には次なる生きるマーケットとして見えるのだという。というのも
彼らは、確実にTPP加盟で決まった税優遇措置を利用し、ベトナムで合弁した小売企業に海外からの商品をどんどん持ち込めるからだという。
 
TPP加盟によって新たな投資の風が吹いてきたがそのマイナス効果にも懸念の色を隠せないのが先ほどのスーパーマーケット協会のフー会長だ。特に日本から来たイオンの市場参入が印象的だという。

マーケットシェアを握る為に、イオンは早々にベトナムにある複数のスーパーマーケットブランドの株式を買い取っている。例えば、FivimartやCitiMart等の株式が買われ、現在イオンが握っている株式は、CitiMartの49%、Fivimartが30%になる。

この侵攻についてフー氏は、TPP加盟でマーケットが本格的に開放された際には、国内の小売業が生き残る為には再編せざるを得ないであろうと述べた。

フー氏は、「再編とは自分自身を失い、ベトナムブランドを失うこととは違う」と続け、国外からの侵攻で、風前の灯火となったDa Lan、Phong Lanのようなブランドも例えに出した。

先ほどのクォン氏もフー氏の心配を補足するように「彼らも最初は、合弁したり、10%、20%、30%と買い取るが、もし、国内企業がそこから体制を刷新しノウハウを学ばなければ完全に買収されることになるであろう」と強調した。

この問題の責任は国内小売企業の肩に重くのしかかっているという。
これについてフー氏も、国内企業が自分自身で変わらなければ、完全買収される危険は常にあると賛同した。



ソース:Zing News(2016年3月4日掲載記事)