メコン川上流の水力が不足し、ここ90年で一番低い水位を記録。その影響で歴史上類を見ない塩水侵食によって数十万もの人々が真水不足に見舞われる事態となった。

3月7日朝、首相グェン・タン・ズン(Nguyen Tan Dung)とエリア内各省の農業分野の幹部達とのメコン川の塩水侵食防止・問題解決についての会議がカントー市で開かれた。

農業・農村開発大臣であるカオ・ドゥック・ファット(Cao Duc Phat)氏の報告によれば、2014年末からエルニーニョ現象がベトナムに影響し、土熱が上昇、雨量不足を招いた。このことが原因で干ばつ、塩水侵食を引き起きしており、農業や国民の生活に多大なる被害を与えているとのことだ。

現在、被害が一番大きかったのはメコン川エリアで何中部・高知・東南部が主に被害を受けている。今後の予想によると、エルニーニョは引続き2016年も影響し、ベトナムで一番長い被害期間になるであろうとのことだ。

ファット氏によれば、残りの乾季の期間中に、メコン川の土熱は従来の平均気温より0.5〜1.5度高く、最高気温が33〜37度にもなるという。雨季は遅れ、雨量は従来よりも30〜60%不足し、更には流水力も30〜50%落ちる見込みだ。


■歴史上類を見ない早期の塩水侵食

農業農村開発省の報告によると、2015年の雨季は開始が遅く、終了が早かった為、メコン川の上流からの流れが不足し、90年来で一番低い水位を記録したという。その影響で塩水の侵食が従来よりも約2ヶ月も早く出現し、今までの歴史で類を見ない早さだという。

3月6日時点までで、ヴァム・コ(Vam Co)川エリアの塩水濃度は最高を記録し8.1〜20.3g/リットルと、従来よりも5.9〜6.2g/リットル高い。濃度4g/リットル級での侵食範囲も、従来よりも10〜15km広い、90〜93kmを記録した。

ティエン(Tien)川、ハウ(Hau)川、カイ・ロン(Cai Lon)川にある西海沿岸などのエリアを見ると、最高濃度はそれぞれ、14.6〜31.5g/リットル、16.5〜20.5g/リットル、11〜23.8g/リットルを記録した。これらの濃度は従来よりも2.1〜6.4g/リットルも高く、濃度4g/リットル級の侵食範囲はそれぞれのエリアの45〜65kmを記録し、従来よりも5〜25km広いのだ。

なお、現時点までに塩水侵食被害を受けているのは、
西部の11省になる。
その内、ロンアン、ティエンザン、ベンチェ、チャヴィン、ソックチャン、バックリウ、キエンザン、カマウ、ハウザンの9省の被害が深刻で、ベンチェは特に水田の70%の面積が被害を受けている。他にキエンザン省とカマウ省は2015年末頃から被害を受け、85,000ヘクタールもの水田が被害にあっている。

農村農業開発大臣であるファット氏によれば、2015年末から現在にかけて、139,000ヘクタールもの水田が被害が受け、その内、86,000ヘクタールが70%の生産力減、43,000ヘクタールが30〜70%減、9,800ヘクタールが30%減などの被害が挙げられる。
他には、ベンチェ省では、ホテルや学校、病院などが真水不足に陥っているとのことだ。


■深刻な天災

上記のファット大臣は、今回の天災は西部に深刻な被害をもたらしていると述べ、全ての政府機関・各省・各都市が協力して、この干ばつと塩水侵食対策をしなければならないと訴えた。

特に塩水侵食は、カマウ、キエンザン、チャヴィン、ベンチェ、ハウザン、ロンアン、ティンザン、バックリウなどの河口や沿岸エリアにも影響しており、これらのエリアは水道水の供給を受けていなく、そのままの地表水を利用しているだけにかなり深刻だ。

現在、西部の155,000世帯約575,000人が水不足の被害にあっており、その内144,000世帯が水道水を受けていなく、11,000世帯が水道水を利用している。特に、ベンチェではチョラック(Cho Lac)の4社を除いた全てのエリアが塩水侵食被害を受けている状況だ。

今回の天災は、予め予測されており、2015年10月から政府はオンラインで各省との対策会議を開いていたという。
そして1ヶ月前に、首相承認により、各省地方への干ばつ塩水侵食への対策が指示された。その後に、それぞれの地方に対してどのような資金的な支援をするかも決議されるという。

現在、農業農村開発省は海外機関と連携し、灌漑工事、ワンガイ省からキエンザン省までの海の堤防の強化に関する調査を行い、2016年〜2020年までの目の前の対策計画と中期対策計画を出してそれぞれの実施優先順位を決めているところだという。


ソース:Zing News(2016年3月7日掲載記事)